プロデューサ/ディレクタの吉田です。
お待たせしました。今後の新生FFXIVαテストの予定について、ご報告させて頂きます。
ただし、そもそものαテストの中身について説明がないと、
正しく意図が伝わらないと思いますので、以下ご一読ください(すみません長文です)。
以前のプロデューサーレターでもご報告している通り、MMORPGのαテストとは、
開発/運営サイドだけでは不可能なサーバの「負荷試験」が目的となります。
ただ、負荷試験自体がどんなものなのか、イメージが湧かないと思いますので、
次項で簡単にご説明させて頂きますね。
■新生FFXIVのサーバ構成概要と負荷試験■
新生FFXIVは1ワールド辺り、同時接続者数5000を平均ピークとして設計されています。
同時接続者数ですので、当然そのワールドにはそれ以上のキャラクターを作成可能です。
プレイのピークタイムには同時に5000人強が、1ワールドに収容される最大人数、
と覚えて頂ければよいかと思います。
ただ、これは1ワールド当たりの「全体同時収容人数」ですので、
新生FFXIVの1ワールドは約40ゾーンで構成されるており、
各ゾーンにプレイヤーの皆さんが、分散してログインしていることが前提となります。
つまり40のゾーンサーバで5000人を収容するので、
1ゾーンサーバの収容人数は、5000を大きく下回ることになります。
キャラクタレベルのバラつき、コンテンツへの分散、プレイスタイルの幅から、
1ゾーンに全プレイヤーが集結することは、事実上あり得ないためです。
(故意にその状況を作ろうと思えば可能ではありますが……)
新生FFXIVでは、それでも1ゾーンに対して1000人の収容が可能なよう設計されており、
簡単に言えば「1ゾーンに1000人入っても大丈夫!」をテストするために、
αテストを実施している、とも言いかえることができます。
(また導線やコンテンツ上、1000以上のキャラクターが集まりそうかどうかも確認しています。
その場合には、ゾーンごとインスタンス化することも視野に入れています)
またこの負荷検証は、バトルが同時にいくつ行われているか、
採集が同時にいくつ行われているか、クエストの監視はいくつ動いているかなど、
単にゾーンサーバに人がたくさんいる、という状況だけでは検証になりません。
当然他にも……
・ゾーン間移動が300人/400人で同時に行われても問題がないか
・パッチサーバへのアクセス集中時に問題は発生しないか
・特定のハードウェアでのクライアントクラッシュはないか
・高負荷発生時にモンスターのPOP/DEPOP制御は正常に動作するか
など、テスターの皆さんにご協力頂いて大規模な検証を行っています。
■なぜ沢山の人がαテストに参加できないのか?■
αテストはサーバ負荷試験が前提となるため、プレイヤーの皆さんから見た場合、
製品版と比べてプレイ可能な範囲が極端に狭くなります。
通常の場合グラフィックスは荒く、UIも仮実装が多数存在し、
クエストもシナリオも存在せず、バトルのみを同時多数行って頂くケースが多いです。
新生FFXIVのαテストも以下のようにプレイ範囲が制限されています。
・使用できる種族はヒューラン/ミッドランダー男とミコッテ/サンシーカー女のみ
・全員新規キャラクタ作成にのみ対応
・各クラスレベル20でキャップとなる
・スタートできる国はグリダニアのみ
・バトルクラスは槍術士、弓術士、幻術士のみ
・クラフター/ギャザラーは木工師、革細工師、園芸師のみ
・オープニングはαテスト専用の仮のもの
・カットシーンは未実装(黒マスク表示されます)
・ダンジョンはタムタラ霊廟のみ(Lv15-Lv20向け)
・導線クエストはLv1~Lv10まで(Lv10以降も存在しますが実装途中のもの)
・ギルドリーヴはLv15まで(製作リーヴはLv20まで)
αテストの割には結構プレイ可能とは思いますが、主にプレイするゾーンは、
4ゾーン程度に絞られます(公開範囲は8ゾーン)。
新生FFXIVは初期導線をかなり拘って作成したため、
1都市スタートで数千人が同時ログインし、プレイを開始すると、
レベルアップと共に、常に同ゾーンに高負荷がかかるようになっています。
また、他のエリアにコンテンツがないため、Lv20キャップに到達しても、
どうしても初期ゾーンに溜まってしまう傾向にあります。
本来の目的はサーバ負荷試験ですので、負荷をかけて頂くために、
ゾーンを絞っていることから、αテストとしては、これで正しいことになります。
ですが、先ほども述べた通り1ゾーン辺りの最大負荷は1000で計算しているため、
単純にプレイヤー数を増やしていくと、延々同じゾーンに留まるプレイヤーが増え、
通常では起こり得ない負荷により、まともにプレイできなくなってしまいます。
せっかくαテストに当選して頂いても、これでは満足にプレイもできません。
唯一の解決策は、αテストワールド数を増やすしかない、ということになります。
また、従来ですとαテストはプレイ範囲が狭く、キャラクターデータも、
αテスト終了時にワイプ(消去)されるため、ログイン率は低下する傾向にあります。
ですので、順次アカウントを配布して、新たなテスターの方にログインして頂き、
検証を続行するのが通例となります。
新生運営側でもそれを見込んでおり、アカウント配布数に対して、ログイン率は20%程度になるだろうと、
予測していたのですが、現状でもまだログイン率は40%-50%弱で推移しているため、
負荷を計算しつつ、順次テストアカウントを増加させている状況です。
■αテストの進捗■
新生FFXIVのαテストは明日より全4フェーズのうちの3フェーズ目に入ります。
1フェーズ目は1ワールド運用での基礎負荷試験。
負荷試験はテスター皆さんのおかげで非常に順調に進み、
この時点で1ゾーン当たりの同時接続850、バトル270-280同時発生程度で、
クリティカルな負荷バグ等を発見することができ、即時修正することができました。
また、続いて行ったテストにより、同時起動されると高負荷を生みやすい処理を
リストアップすることができ、細かく処理の高速化を図ってきました。
αテストフェーズ2では、2ワールド目をオープンしてテスターの方を増加、
複数ワールド同時運用のテストを行いました。
幸いにも目立ったトラブルは殆どなく、この間に処理高速化の対応と、
英独仏のグローバルテストスタートの最終チェックを並行しました。
明日からフェーズ3となり、グローバル運用テスト+長時間運営の耐久試験が始まります。
また11/26には、フェーズ3にあわせて、全リージョンにテストアカウントを追加配布しています。
以降フェーズ4は、ワールド統合試験などを行う予定となっており、
こちらのスケジュールはフェーズ3の状態を見ながら、決めていくつもりです。
ただし、皆さんのご要望が強いことから、可能な限り年末近くまでは、
αテストワールドを解放しておくことを検討しています(もはやαテストとは呼べませんが……)。
■αテストアカウント配布数と今後の配布予定■
現状のαテストアカウント配布数は、正確な数字を公表できませんのでご了承ください。
ただし、割合としては日本の場合、11/27現在で応募総数の1/4に配布済み、
北米はグローバルテスト第一弾なので総数の1/6、EU圏は元の総数が少ないので、
おおよそ1/3となっています。
今後の追加予定ですが、12/2まではフェーズ3の安定性テストとなり、
12/3よりさらにテスターの方を追加させて頂きます。
また、テスター追加の負荷に対応するため、当初計画にはありませんでしたが、
12/3からαテスト用に3ワールド目をオープンさせて頂きます。
12/3以降は概ね2日に1度、ログイン率を見ながら、随時テスターの方を追加させて頂きます。
追加数は週単位で数千を追加していきますが、どこまで足せるかは、
負荷の状況を見ながらの判断となります。ご了承ください。
■αテストアカウントの増加割合についてお願い■
新生FFXIVチームとしても、皆さんのご要望が強く、かつ現行運営が終了したことから、
ご応募頂いた方、一人でも多くアカウントをお渡ししたいと考えています。
そこでテストに当選した方にお願いなのですが、できうる限り、
αテストにご参加の際には、2ワールド目、3ワールド目でのプレイを
お願いできたらと思います。
前述したようにαテストの公開範囲の都合上、特定ワールドにプレイヤーが集中すると、
通常運営ではあり得ない負荷となってしまい、テストアカウント増加計算に、
慎重にならざるを得なくなってしまいます。
現在は「Chocobo」「Moogle」という二つのワールドで運営を行っていますが、
可能な限りまずは「Moogle」の方でキャラ作成/プレイして頂ければと思います。
また12/3以降にαテストへご参加いただく方は、
どうぞ追加された3ワールド目を選択頂けますと、大変助かります。
以上になります!(レター状態になってしまったので、翻訳でき次第、急いでレターにも上げます!)