プロデューサ/ディレクタの吉田です。
ワールド統合について多数のご意見、フィードバックありがとうございます。
ひとつひとつ、皆さんのポストに目を通していて深夜になってしまいました。申し訳ありません。
(Twitterなども拝見させて頂いています)
現時点でのワールド統合は、プレイヤーの皆さんにとって非常に重大であると同時に、
我々開発/運営側にとっても、非常に重大な案件です。
幾つか前提をお伝えした上で、現状公開されているワールド統合仕様について、フォローをさせて頂きます。
■ワールド統合の意図■
MMORPGはゲーム全体のコミュニティと、ワールド内のコミュニティという大きな「繋がり」で成り立っていると考えています。
MMORPGはPTを組んで遊ぶことも多く、そのためコミュニティが「成立できるだけのプレイヤー人数」が必要です。
今回のワールド統合準備は、新生へ向かっていく中で課金を開始させて頂き、継続プレイして頂ける人数が、
ある程度見えてくることがわかっていましたので、ワールドによっては「コミュニティそのもの」が成立しにくい状況が、
発生しうるだろうと予測して、準備を進めてきたものになります。
今回反対のご意見を多数お寄せ頂いている中で最も大きいのが「コミュニティを壊すな!」というものですが、
根本的に吉田も開発も運営も、皆さんと同じく「コミュニティ」を最優先に考えて、統合仕様の議論を重ねてきました。
ですので、まず根本の意識は同じ場所にあることだけは、最初に述べさせてください。
特に今回の統合では、EU圏(といっても非常に多くの国と地域があります)の方々が、
できるだけ、同じタイムゾーンでプレイできるように、という部分も強く意識にありました。
(ちなみに決算等のご推測もあるようですが、既に一度18ワールド運営している以上、
ゲームサーバのハードウェアもデータベースサーバも購入済みです。仮に8ワールド停止しても、殆ど影響がありませんので、
費用面での動機は一切ございません。その点だけは邪推無用でお願い致します)
■今回の仕様を公表させて頂いた経緯■
この時期に早めに仕様を公開させて頂いたのは、まずは開発/運営側の仕様を公開することで、
皆さんのフィードバックを拝見できることが大きな理由です。
ワールド統合は非常にナイーブな問題ですし、仕様も細かく成らざるを得ないので、
アンケートには向かないと判断して、アンケートを取ることは止めました。
(A、A'、A''、B、B'、C、どの案が良いですか?では意味がないので)
ですので、早めに仕様を公開することで、皆さんのフィードバックを統合仕様に、
取り入れる時間が得られるようにと思っています。
吉田のフォローが遅れたことは申し訳なく思います。発熱で夕方まで倒れてました……。
モルボルからもコメントありましたが、今回のワールド統合については開発/運営/QAチーム内でも、
かなり喧々諤々の議論がなされました。最後まで全員が納得できる案は出なかったのが正直なところです。
(なぜなら、いずれの案も、必ずメリットとデメリットがある程度存在してしまうからです)
最後まで有力だったのが、何人か既にポストされている案も含んだ下の4案です。
(A=プレイヤーの多いワールド、B=プレイヤーの少ないワールド、C=新規のワールド、X=他のワールド、と仮定します)
①A + B⇒AワールドへBワールドを吸収合併
②A + B - X ⇒AワールドへBワールドを吸収合併、しかし移動したい人は他のワールドを選べる
③A + B - C ⇒AワールドへBワールドを吸収合併、しかし移動したい人はCのワールドのみ選べる
④10個のワールドを用意し、上限値を設定して全キャラクターに好きなワールドへの移動権利を配布する
他にも亜種が多数ありましたが割愛します。
この中で、吉田は悩んだ末に④で告知準備を進めました。
■案④を採用した意図について■
散々悩んだ末に④を選択した吉田ですが、理由の最も大きいところは、
最初にも述べた通り「非常に強いコミュニティのチカラ」を信じたことにあります。
ワールド統合の選択スタートまで、時間を多く取ることで、
各ワールドのコミュニティ内で、移動先を話し合うことができると考えました。
当然ながらログイン頻度の低いプレイヤーの方がいらっしゃることも想定して、
話し合う期間 + 選択できる期間A(何度でも選び直し可) + 選択できる期間B(選び直し不可)と、
できる限り時間を多くとることで、大多数のコミュニティメンバーが、
同じワールドに集合できるのではないかと考えたのです。
そのため、純粋にコミュニティメンバーが揃って移動できるよう、
ワールド名は伏せることにしました。
ワールド名が強く皆さんの好みに影響を与えることも理解していたため、
あえて伏せることで、特定ワールドへの集中による上限到達を遅らせ、
コミュニティの分断がとにかく起こりにくくなるように、と考えました。
(この辺りが、開発は斜め上だ!とお叱りになる要因でしょうか…)
欧州の方にも、欧州推奨ワールドをお知らせすることで、集まりやすくなれますし、
考えて頂く内容が、シンプルにできると想定しました。
また、どの案を採用しても「全プレイヤー」の思い通りにならない上、
個々の事情が異なるからこそ、全員に等しく「選ぶ権利」があった方が、
「個々の事情に自由に対応して頂ける」と思ったのです。
前例のないワールド統合ではありますので、仕様公開の決断まで相当悩みました。
The Lodestoneでどのプレイヤーが、どのワールドへ移転したのか、
わかるようにと、拡張も進めています(モルボルが記載しているものです)。
■案④のデメリット■
吉田も案④を最後まで悩んだのは、下記に挙げるデメリットがあったからです。
デメリットA:複数のコミュニティに属するプレイヤーが、分断される可能性がある
デメリットB:ある意味全プレイヤーがストレスを感じる
デメリットC:統合後に復帰を決めてくれたプレイヤーが浦島状態になってしまう
最も悩んだのはAで、QAチームもこの案④のデメリットAを最も問題視していました。
デメリットBは、全員自由というメリットの副作用なので、ある意味相殺関係にあります。
デメリットCは、復帰の時期が不明なことと、多くは新生時であろうと想定し、
新生時には、ワールド移転サービスを視野に入れているため、そこでのフォローが可能と考えました。
■案①~③を採用しなかった理由■
案①が最もストレートで、我々のコストも最も低いものになります。
ですが、欧州の方にとっては問題解決にならない可能性が高く、
運営で判別して勝手に移動して頂くのもあまりにも強引と考えました。
また「統合される側」のストレスも大きくなります。
ただし、最も「無難」ではあります。
案②であれば、移動したい方のみ移動できることになりますが、
上限計算して導き出したA+Bのワールド併合が、
結果的に移動希望者が多ければ、上限割れしてしまう可能性があり、
蓋を開けてみなければ、適切なプレイヤー数で統合できるかどうかわからず、
大きなリスクを背負うことになります。
また、移動できるという選択肢があることで、複数のコミュニティに所属している場合、
板挟みの可能性も起こりえます(④よりは少ないですが)。
案③は案②の亜種で欧州のプレイヤーの方に強く配慮した内容になります。
ですが、この案も結局、移動を希望するプレイヤー数が中途半端だった場合や、
移動を希望する欧州以外のプレイヤーが多かった場合、
当初の目的は達成できないまま、統合が行われる可能性があります。
吉田は案②と案④で最後まで悩み、結果的に案④で公開に踏み切りました。
■ワールド統合まで■
最初にも書きました通り、ワールド統合は非常に大きな事象です。
できる限り、情報はオープンにと常々そう思って仕様公開やトピックス発信を行っていますが、
言葉が足りなく、毎回お叱りを受け、申し訳なく思います。
我々も皆さんのフィードバックを元に、明日も議論を重ねます。
以前書いたように、このワールド統合は「FFXIVが前に進むため」の統合です。
皆さんの「絆」を壊すためのものでも、開発と皆さんの「絆」を壊すためのものでもありません。
本当に言葉が足りなく、自分の力不足が情けなくなりますが、
皆さんもどうぞ、建設的で前向きな、引き続きの議論、フィードバックをお願い致します。