ここまで、過去と現在の話しかしてきませんでした。
ちょっと未来についての話をします。
「黒魔が単純化する」という話がありました。
私は、むしろ既存の「属性相関」システムを廃止することで、
その先に進むことができる、キャスターは非常にテクニカルな
役割になることができる、と思っています。
魔法には、本来、次のような「要素」があります。
- キャストが早い/遅い
- リキャストが早い/遅い
- 射程が長い/短い
- 消費MPが少ない/多い
- 効果が大きい/小さい
- 命中精度が高い/低い
- 単体か、直線範囲か、扇状範囲か、自己中心・円形範囲か、ターゲット中心・円形範囲か
- 効果は即時か、継続的か
- 付随的な効果があるか、ないか
これらを様々に組み合わせることで、多様な魔法が作れます。
たとえば、「威力は低めだが、命中精度が高く、レジストされにくいので、
安定したダメージが見込める魔法」とか、「命中精度は低いものの、
クリティカル時の威力の伸びがよく、ピーキーな使い勝手の魔法」とか、
魔法ごとに様々な性格をもたせることが可能です。
実は、既にこのような兆候はあって、たとえば「即時発動して敵をスタンさせる」
サンダラや、「即時発動して自分の周囲の敵を足止めする」ブリザラあたりが、
今までにない魔法の運用を、黒魔に求めています。
このような流れの中で、多様な魔法が用意されていった場合に、さらに既存の「属性」が
残っていると、
その多様な魔法ひとつひとつに、複数の属性を用意しなくてはならず、
非常に煩雑なシステムになってしまいます。
逆に、性格の異なる魔法が、属性ごとにまちまちに用意されている場合、
使い分けがしにくいため、プレイヤーからの不満が大いに出てくるものと思います。
前述のような観点から、今までの「属性相関による魔法の使い分けを前提とした
魔法システム」を見返した時に、率直に申し上げて、各魔法の個性というものは
なきに等しいものだった、と申し上げることができるでしょう。
どれも同じような魔法で、単に属性が異なるにすぎず、使い分けるとは言っても
「その敵と戦ったことがあるか、さもなくばwikiなど外部から知識を得たか」
で属性を選んでいるだけで、その場その場の状況に応じた、判断力が問われる、
というほどのものではありません。
極論してしまえば、「属性」こそが水増しそのものだ、と言うことができます。
これにさよならを告げようとしている、現体制の開発陣を、私は大いに
応援したいと思っています。