私は心理畑なのでそこら辺からあれこれ考えると・・・
主の方が仰る通り、MMOの目的とは「もう一つの世界に住むこと」です。
現実世界では基本的な属性(人種や外見、親の裕福度、能力など)からは
逃れられませんし、基本的には教育が終了後は生産活動に従事することが
社会から要求されます。その他にも社会からの要求は幾つもあります。
嫌な言い方ですが、子どもの頃に描いた夢と今とは大違いの人が大半ですし、
例え夢通りの職業に就いてもそれが幸福かは怪しい
ものです。
(「精神の最大の敵は、日々の摩耗である」とかいう名言がありました)

MMOは基本的に全ての人に対して平等です。
キャラクターや得意不得意は自分の好みで作れます。
「日々の摩耗」もなく、楽しいと思うことをやっていればOKな世界です。
更に、他の人と出会って、お互いの不利な部分を補い合うことや、
気の合う仲間とギルドを作ってプレーすることで、メンバーから「承認」を
得ることができます。
(注:組織に「所属」し「承認」されることは心理学では非常に重要な意味を
持ちます。興味がある方はWikipediaで「マズロー」「欲求階層理論」などで
検索してみて下さい)

私はMMOは「楽しいことしかやらなくていい世界に好きな分身が住めて、
知り合った人と楽しく交流できて(人間関係の鬱陶しい面を感じずに)、
そして分身(=一つの自分の理想形)ができることが、誰かの役に立って
いることが簡単に実感できる、そういう世界を提供するもの」
だと
思っています。
何ともワガママで幼稚に思える定義ですが、現実では誰もが羨む人生を
送っている人でも、当の本人は「悩み」とか「不安」とか「不満足」を
感じていると思います。映画のハッピーエンド状態が一生続くような
人生などあり得ないですよね?

また嫌な書き方ですが、端的に言えば「現実は嫌なこと・辛いことが大半で、
時折幸せになったと錯覚する瞬間があるのみ」
とも言えます。

反論はおありかと思いますが、MMOは結局「嫌な現実があるから楽しい」
いう位置づけが理想だと考えています。
日々疲れたり、イラついたり、不安になる。そういう現実があるから、
MMOは楽しいことのみでなければ何の意味も無いと思うわけです。


で、話をFFに戻して考えて下さい。
FF14(に限らず全てのMMOもですが)は楽しいことだけできるMMOですか?
「日々の摩耗」とは無縁の世界でしょうか?
あなたの分身は、あなたが理想とする分身ですか?
あなたの分身の力は、誰かの支えになっていますか?
自分が必要とされ、それと同時に誰かを必要とする暮らしができますか?