今回も楽しませていただきました、ありがとうございました。
しがらみにとらわれず、知らないものを知っていく冒険が味わえたのはとてもよかったです。
空気を読めてないようにも思いましたが、ウクラマトが落ち込まず前を向き続けた点は暗くなりすぎずよかったと思います。
ただ、細かなところが気になってしまったのでその点だけ挙げさせていただきます。
既に挙がっている意見と重複しますがどうか自分の口からも言わせていただきたいです。
◎キャラクターの背景が分からないために疑問を感じる点が多い
最も顕著に感じたのはウクラマトの経歴と有り様の差異です。
彼女は持ち前の明るさを武器に継承戦を経て学び、成長したと思います。
ただ、彼女の積極性と作中での成果を見ていると『逆に今まで何をしていた?』と疑問を覚えました。
外に出られない事情があるわけではなく、国民を想う心はあるのに、兄達より実績や人気が無いどころか本人が何かをしていたことも示されていないのは違和感を覚えました。
外を知らない王女が世界に触れて学び、やがて女王となる……というアウトラインはFF9のガーネットを思わせます。
ただ、ガーネットは深窓の令嬢として生きてきたため庶民の暮らしを知らないという事情がありました。本人の気質もそのような環境で生きてきたことへの説得性を増しています。
また、外へ出ない代わりに勉学を通じた知識があったり国外の王族と親しげであるなど、代わりに得ていたものが示されています。
翻ってウクラマトは少なくともトライヨラ内を自由に活動し積極的に庶民と交流していました。また、公務で周辺地域へ行っていたと思しき描写もあります。
作中で見せた彼女の積極性ならもっと地域の人々の暮らしを知っていたほうが違和感がありません。
或いは連王グルージャジャから何かしらの理由で外での活動を諫められていた等の制限があって出来なかった理由があれば実績や体験が不足していることにまだ頷けます。
それ以外にもゾラージャ王子と2人の弟妹の関係性が良かったのか悪かったのかが分からない、王妃が不自然なくらい言及されないなどの点が気になりました。
「昔はこうだった」とか一言あるだけで違うのではないかと思います。
◎アレクサンドリアである必要性を感じられない
ヘリテージファウンドやソリューション・ナインの有り様とアレクサンドリアを繋げられるとどうにも違和感が酷かったです……。
スフェーン(宝石繋がり)とか、記憶を雲の上に預けるとか、記憶の場所やテラをほんのり匂わせたようなリビング・メモリーの存在とか、「何かそれっぽい」ぐらいの要素はアクセントとして面白かったのでその程度にしておいてほしかったです。
(追記:リビング・メモリーはどちらかというと夢の中のザナルカンドがモチーフですかね……?)
◎ウクラマト以外にも出番を割り振ってほしかった
ウクラマト自体は嫌いではないのですが、何かにつけてウクラマトの出番が多く食傷気味でした。
それに伴ってせっかくクルルさんが同行しているのに離れる回数が多かったのも残念です。
今回の前半部はウクラマトが主軸であって然るべきだとは思うので、後半に彼女以外との協力機会があればよかったと思いました。
成長したウクラマトなのだからこそ、別々に動く機会があってもよかったと思います。
更に欲を言うなら、プレイヤーにも見せ場が欲しかったです。
だからこその最終決戦だったと思ったのに、最後に派手にウクラマトに活躍されてしまうとさすがに立つ瀬がないなと……。
ウクラマトの声がスフェーンを呼び戻すきっかけなのは分かるとして、それでも手が届かないウクラマトに代わりプレイヤーが力を奮う(貸す)形でもよかったのではないでしょうか。