イザット

御弟子偉達の苦行はさておき、師からのご褒美についても語らねばなるまい。
弟子達にとっては無理難題であっても、師にとってみれば「それくらいできて当たり前」という考えであり、達成したからといっても多少褒められるだけであることがほとんどであった。しかし、師の機嫌がよい場合はご褒美として甘味が与えられることもあったという。現代でいう砂糖菓子のようなものであり、疲労回復やストレス解消に適した逸品は御弟子偉達の心の支えにもなっていた。
しかしながら、師はなかなかのけちんぼ、もとい倹約家であり、命がけで物の怪を5匹調伏してはじめて1つの甘味が得られる程度であり、この数少ないご褒美は「偉砂糖(いざとう)」と呼ばれたという。
現代において名誉を意味するイザットという言葉は「偉砂糖」が語源であることが、スカウトワークスの調査で判明している。
なお余談であるが、現代のとある文献において、カビをまき散らす医師の命令で地面を液状化させる元患者が悪事を働く奇妙な物語が存在する。その際ご褒美として角砂糖を与える場面が存在するが、それはまさに「偉砂糖」の伝統を受け継ぐ行為である。なお、3つも要求するともれなく「いやしんぼ」の称号が与えられるという。冒険者の皆様におかれては、けっして「いやしんぼ」になることなく、物の怪調伏に勤しんでいただきたい。

民〇書房刊「ヴァナディール スイーツ大全」より抜粋