個人的に、今回の感想ですが…。
まぁ良かったところは構成だと思います。前半と後半の文化と文明レベルの対比や、当地の文化を観光レベルの知識とはいえ多様に描いてくれたのは良かったと思います。
全体のプロット自体(これは、どこから始まってどこで動機を得て、どう考えてどう進み、誰と対立するか、と言った大枠の部分のことです)はとても良いものだったとは思います。問題は、そのプロットを詳細に描写するキャラクターの内面の描写や各地の文化などです。ここが壊滅的にダメだと感じています。確かに、そのキャラがそこで何を考えてどう行動したかについて、理解はできますしある程度論理的です。しかし、それは「物語の舞台装置」として良いと言うだけで、キャラクターとして良いとはとても思えません。正直、「生きているキャラクター」としての魅力に欠けます。どこまでも道具にしか見えません。決められたストーリーやライターの主張を話すためのロボットとしてしか優秀でありません。
しかし、これに関しては前半はまぁ納得はできました。構成が上手いので、キャラは壊滅的ですがある程度プラマイゼロにできていたと思います。薄いとはいえ各民族について描写する時間もとったので、フィールドの広さも含めてある程度の深みも演出できていたでしょう。ここまでは、まぁ、多少気になるけどライターも変わったしこんなもんかな。と言った感想でした。
しかし、問題は後半に入ってからです。ここが本当に嫌でした。今まで、ウクラマトは舞台装置的な説明口調ではありましたが、そして浅い考え方ではありましたが、少しずつ成長しながら、「他の文化を頭ごなしに否定せずに理解しようと努力しよう!」と考えてきたはずです。それこそが王に就任するためのキーになった考え方であり、それこそがあのキャラクターの魅力だと、ストーリーが全力で描写してきたはずです。
しかし、アレクサンドリアに入ってから当地の「魂の残規制」の文化について、他のキャラクターたちと一緒になって頭ごなしに否定し始めます。確かに、あれは結果的にいつかは破綻する失敗したシステムでした。世界の平和のために止めなくてはならないものでした。しかし、その文化が開示された時点では、決してそんなものではなかったはずです。ただの、新しい聞いたことのない価値観と文化、ただそれだけであったはずです。にも関わらず、なんなのですか?あの態度は。口を開けば「倫理的に受け入れられない」の大合唱。プレイヤーすらそれに同調する選択肢しか与えられません。知って聞いて理解するのが大事なのではなかったのですか?そんなに我々のよく知る「現代的倫理観」は進んでいて良いもので、その倫理観に照らしあわせたら「死者の尊厳を損なっている」と考えられるような価値観は、それを現地の人間が普通に受け入れて暮らしていても、100年以上の歴史があっても、「下なもので止めなくてはならない悪」なのですか??
最終的にあのシステムを止めさせなくてはならなかったのはわかります。それはシナリオの都合的にも、あのシステムの仕組み的にも、スフェーンのやろうとしていたこと的にも、そうだったことでしょう。しかしですよ、それらはそれこそ終盤にならなくてはわからないことじゃあないですか。なぜはなから向こうの文化は悪だと言う論調で進むのですか?百歩譲ってNPCがそう考えてしまったとして、なぜ主人公に一つも…これは本当に、ただの一つもです、たったの一つも、「いや、話を聞いて理解しないとわからないじゃないか」や、「なにか我々にこの文化によって悪影響がもたらされないのであれば、我々が善悪を決めるようなことではない」と言うような主張をするための選択肢がないのですか?
あの流れだけは本当に我慢なりません。ウクラマトのキャラクター的魅力とも矛盾します。あのような時に、自分の倫理という物差しに照らし合わせて「これはダメだろ」と批判するNPC達に「いや、まだ決めつけるのは早い。話して知らないとわかんないじゃないか」と言えることこそが彼女の魅力だと前半で描いてきたのではなかったのですか?
少なくとも、私は「価値観が違いすぎるからこそもっと深く知らないと善悪の判断は下せない」と思って進めていましたし、それに寄り添う選択肢がなかったことで主人公に不本意な主張をさせ、それを眺めていることしかできず、非常に不満でした。
他に関してはギリギリ許容範囲内ですが、ここの描写はかなりキツかったです。なぜよく知りもしない文化をわざわざ自分の意思で選択肢を選んで批判しなきゃいけないんだと思いながら進めました。
