アビセの娯楽性は、有料テーマパークのような即効性の高いもので、
それ以前のプレイは、スポーツや将棋などのように、経験を積むごとに新たな戦略を生みだし、
より上位の相手に挑める。そういう長期的な娯楽性だったと思います。
アビセアを失敗というなら、嗜好の違う娯楽性のコンテンツをおなじ土俵に置いたことでしょうね。
登山でにぎわう天然の山があるエリアに、登山をテーマにしたレジャー施設を作る。
施設内では、初心者や体力のない方でも、対価を払うことで本物と同様の経験が気軽に楽しめる。
道具や準備も、施設内で用意。山頂に立ったときの興奮や、感動的な景色も短期間で味わえる。
施設での経験から本物の登山へ挑戦する方、時間的な余裕などから施設のほうで遊ぶ方。
登山というテーマは共通ですから、同エリアの集客率はあがりますが、利用者のギャップはありますよね。
まあ、『楽しければどっちでもいいよ』というのが利用者の大半だと思いますが。
おそらく担当者さんの思考や本来のゲーム設計は、天然の山に登ること、なんでしょうね。
クリエイターさんの中には、ストイックな思考の方も多いですし、
自身の思考を作品の中で表現したい、という気持ちも分からなくはないです。
ただ、小説や映像作品などであればそれでもかまいませんが、オンラインゲームにおいては、
一方的な表現性やメッセージ性よりも、相互的な大衆性やサービス性が重視されると思います。
アビセアという後付けの娯楽施設と、本来の主旨と考える、天然の山で利用者を遊ばせる、という点で、
担当者さんは、調整に苦慮されているのでしょうね。そういうときに重視すべきは、
設計者の主観や旧来の方針より、『利用者を楽しませる』という点だと思います。
そんなことは承知の上でしょうし、他人が基本設計したものを引き継いで、拡張させたり、
完成させたりするのは、本当に大変なことだと思いますが。
