5年ほどヒカセンですが、黄金メインを終えて今後のシナリオが心配になり、初めてフォーラムに書き込みます。
重複する意見もあるかもしれませんがご容赦願います。
以下、ネタバレ含むネガティブな感想なので畳みます。
また投稿者はFF9は未プレイです。オマージュについては全くわからない上で感想を述べています。
はじめに、開発チームの方々には感謝申し上げます。いつも楽しい冒険を届けてくださりありがとうございます。
休止を挟みつつも新生から遊んできました。細々と不満はありつつ、どれも主観的な範囲にとどまるもので、とても満足してきました。
ただ今回のメインシナリオは、今後もこの調子であれば拡張発売後すぐの購入は控えようと思う内容でした。他の投稿を流し見るに、物語後半部分について意見が少ないようなので、いちユーザーとして感想を残させて下さい。
まず前半は、ナショジオやディスカバリーchが好きな自分には楽しめました。
バクージャジャ等の人格豹変についていけなかったりはしたものの、サブクエまですべて消化しました。
ただ主人公はウクラマトなので、人によっては気分が乗れないだろうし、お使いが苦手な人には辛そうだとは思いました。
自分がより危惧しているのは後半です。サブクエも放置して、ただ終わらせました。
端的な感想を述べると、『テーマの詰め込みすぎと混乱があり、物語がユーザーにどんな感情を味わせたいのかわからない』。
スフェーンに関する説明不足を圧倒的に感じました。あるいは議論を呼ぶためあえてそうしたのでしょうか?
最終決戦の構図は漆黒になぞらえていて、『互いに譲れないものを持つ者同士が決着をつける』形になっていたと感じました。
しかし自分の気分がまったく盛り上がらなかったのは、『悪役(スフェーン)が、倒すべき悪役として描かれていなかった』からです。
漆黒ではそれまでのアシエンの悪行を背景に、第一世界の人々の苦しみが充分描かれました。だからこそ敵にも汲むべき事情があると理解した上で、決戦に気持ちよく挑めました。
一方、黄金後半はアレクサンドリアに焦点が集中し、そこで平和に暮らす国民(永久人含む)に共感を抱かせる仕様でした。トライヨラ側の被害、スフェーンの国・スフェーン自身の悪事についてはチラ見せ程度なので、どちらかというとユーザーのほうが悪役に思えてくる構造です。
実際、最終MAPではカフキワ他数名以外の承諾を得ず、永久人をシャットダウンします。NPCらは特に気にしていないようですが、自分は現実的な人間なのでどうも胸が悪くなりました。
もし永久人たちが魂を持たないデータであり、例えるなら故人の人生を記録した一冊の日記のようなものと説明されれば、シャットダウンやむなしの気分にもなりますが、それもできません。なぜなら徹頭徹尾、スフェーンは永久人を命ある存在とみなし、逆の強い説明は無いからです。
その上、黄金前半は『相互理解で共存できる』を徹底的に主張して、後半の物語と矛盾します。
『理解してもなお相容れない場合がある』と主張するなら『相容れない』場面が必要なのですが、そこは常にちらっとしか触れられないか、あるいは『理解できなくても尊重しないといけない』雰囲気になります。
事実関係を整理すればスフェーンらは歴とした侵略国。なのに、敵国の同情を誘う話ばかり繰り返される。あるいは、前半の相互理解の主張が邪魔をする。
まるで罪人の事情に強引に同情させられている気分になり、最終決戦では混乱した気分のまま、勝手に盛り上がるウクラマトとスフェーンに興ざめするしかありませんでした。
ユーザー自身の台詞を選択する場面で、どの選択肢も選びたくない経験は初めてでした。
カットシーンも必要性を感じられない場面が頻繁に入り、シナリオの洗練不足を全体的に感じました。
実はスフェーンによる故意の侵略だったにも関わらず、ウクラマトや被害者である囚われたトライヨラ人がスフェーンに好意的なのも気になりました。
現在の世界情勢上、侵略され併呑された人々が敵国に好意的な描写は適切だろうかと首を傾げずにいられません。
もし、こうした『胸の悪さ』『賛否両論の議論』をユーザーに味わわせる目的でのシナリオなら、成果か出ていると思います。
ただ個人的には、黄金後半や『ガンバレおじさん』の子供虐待場面のような胸の悪くなる話は純粋に楽しめないので、今後もメインシナリオがこの路線ならば、拡張パッチの購入には慎重になります。
暁月では正直味気なかったフィールドが今回は圧倒的に美しく、音楽は相変わらず素晴らしかったりと良い点もたくさんありました。
スクウェア・エニックスは質を重視するゲーム制作に転換するということで、14は新生から面白かったけれど、できればシナリオの面もそうあり続けて欲しいと思っています。