7.0〜7.1をスキップせずにプレイしました。
申し訳ないですがあまりのレベルの低さに驚くことの方が多かったです。
特に7.0はひどく、ユーザーに対する考慮を感じられないただただぶつ切りになった『エモいような何か』を詰め込んだシーンの連続を見せられるのは苦痛に近いプレイ体験でした。
全体としても民族間の価値観の違いというかなりセンシティブなテーマを扱っているわりに、
それぞれがたいした意見の衝突などもなく『考えを尊重する』といった名目やちょっとした演説でふんわり鞍替えして穏やかに話が進み、
そうかと思えば唐突にアレクサンドリアの人々の死生観に批判的な反応を示したりなどキャラクターの思想が絶えずブレるのが非常に気になりました。
例えるなら、共通のお題を与えられたライター数名がそれぞれぶっつけ本番で短編を発表しているのだろうか? と首を傾げるような感覚です。
露悪的な描写を除けば終始ぬるま湯のようなシナリオです。
特にゾラージャについては意味不明に近く、序盤ではやや真面目ゆえのコミカルさがある動きをしていましたが、後半で唐突に父親への憎悪を顕にし、そのまま親子関係とその後の家族関係に重大な問題を抱えたよくわからない存在として終わっていきました。
それについても継承式で彼が行方不明になっていることにほぼ言及されず、あげく無邪気に自分とコーナだけしかいない石版を作るウクラマトの存在が、おそらく意図していない方向での「そらそうなるわ」という納得感を与えてしまっているのは非常に良くないと思います。
7.1において多少の掘り下げめいたものでかわいそうっぽい属性が付与されたのも首を傾げます。
なぜか「ゾラージャの掘り下げはあれでいい」という方も散見されますがむしろ逆です。
自分と同じ特徴をもつ子を見た瞬間に錯乱するレベルの不遇を受けているのであれば何があったかを徹底的に掘り下げるべきです。
そうでなければこの物語における聖女・主役のポジションであるウクラマトが『長子が人格崩壊するレベルで歪んでいる家庭環境にすら気付けないし、片鱗を感じ取っても過去の記憶から連想できず反省もしない王としては致命的なボンクラかただのサイコパス』(そしてプレイヤーたちはそれを持ち上げる愚か者)ということになります。
ライターがそのつもりで描写しているのであれば良いのですが、周囲の持ち上げ具合を見るにどうやらそうでないようですね。
というか、わざわざ作劇上ではかなり稚拙な部類に入る『第三者のセリフでウクラマトの素晴らしさを説明させる』あたり書き手側も描写のまずさを理解してそうなのがまた悲哀を誘うなと思いました。さすがに素ではやってないですよね…?
もしかしたらSNSで「エモ~」をしてもらうためにわざわざ画像で残るセリフ形式にしているのか、と邪推をする程度にはやり方がまずいなと思います。
近い立ち位置の存在としてはヨツユがいるかと思いますが、彼女にはゴウセツという最後の選択肢が与えられています。
そのうえで『もう戻れない』という結論を出したので納得感がありました。
かといってアサヒのように突き抜けさせるわけでもなく、中途半端に『かわいそう』と繰り返して結局ゾラージャをどうしたかったんですか? とひたすら疑問です。
私はゾラージャが好きなんですが、語られないところを邪推して可哀想がるのはもっともたちの悪い行為だと思ってます。
それこそ、そういうことを繰り返されてゾラージャは狂ったのでは?そういう意味でも彼については徹底的に知りたいですね。このままでは推すことすらできません。
そもそも親子関係の歪みというやや現代的なテーマを選んでおいて、『悪い親子関係のせいで価値観が歪んだ子が道を誤ったまま救われず孤独に死にました』と言われても「それは現実と同じですね」としか言えないんですよ。
今後もしゾラージャが復活して、『お前はもう一人じゃねえ!青い鱗のフビゴ族はここにもいるだろ!』と言われるような展開があったら笑いますね。ないと思います。ただ、正面から戦ったグルージャジャは死にましたが、卑怯な不意打ちをした2名は生存してるのが不気味で仕方ないんですよ。たぶん何も考えてないんでしょうが。
そして復活したとしても『ウクラマトに対して素直で物わかりのいいゾラージャ上位互換のグルージャ』がいるのがひどい。
このゾラージャに対して詰みとしか言えない状況を無意識で作り上げたなら才能がありますよ。
というわけであらためてライターの方にお伺いしたいのですが、あなたにとってゾラージャ、というよりFF14のキャラクターとは何ですか?
あと随所にこれまでのオマージュと思われる描写が挿入されていますが、結論を言えば焼き増しレベルでしかありません。オマージュは製品本体の質を保ってからやるべきです。
あとこれはあまり言われていませんが、エターナルクイーンですらサガフロンティアT260G編のラスボスをオマージュしていらっしゃいますよね。
『ヴァーチャルシフトという技をトリガーに背景の世界が変わる』『敵がダメージを食らうごとに背景にノイズ(亀裂)が走る』というのはなかなか偶然の一致とは言えないかと思います。
すでに同じ対象のオマージュが紅蓮のアレキでも行われていることも存じています。
そのうえで開発にお尋ねしたいのですが、花形であるメインストーリーのラスボスすらヨソからの借り物を使って良いと判断したのはどなたになるのでしょうか。
私はライターの方々を応援していますが、唯一その方だけは好きになれなさそうだな、というのが本音です。
『それそのもの』であることに意味があった漆黒とは根本的に違いますよね。それとも私が存じ上げないだけで、すべてのラスボスの大技はヨソからの借り物だったのでしょうか。そうであれば申し訳ありません。
ここまで比較的マイナスに語っておりますが、私は石川氏のシナリオを『質は良いが合わない。勝手にアゼムにされるのが嫌だ』と感じていたので、今後の黄金については大いに期待しております。
なにより7.1のラストは確かに「おお」となりました。本当に書きたいものはおそらくこちらだったんですかね。
だったら7.0を丸ごと削除して7.05くらいから書いてくれよあんな手抜きみたいな物語出すくらいならさ、と言葉が多少荒くなりそうになりますが、これから上向いていくような予感も確実に感じています。
あとこちらは個人的な見解なのですが、現状のストーリーに主に携わっている方々はヒカセン添え物傾向が強いと思います。
ですので、中心に違うテイストの方をもっと迎えるほうが物語に深みが出るのではないでしょうか。
長くなりましたが、今後もしっかりとストーリーを読ませていただきたいと思っておりますので、今後の展開を楽しみにしております。