過去のSSから、本当に遠景が美しくて大好きだったものを選びました。フィルターはかかっていますが、山肌や霧、雲海の細やかさは伝わるかと思います。
過去のSSを見直すほどに、本当に私はこれまでのFF14の風景が大好きだったのだなと思います。彩度を抑えた柔らかい色彩、青みがかった情緒のある影、透明感のある空や穏やかな水の表現、情報量のあるMMOなのに、長時間遊んでも決して目が痛くなることがありませんでした。グループポーズのフィルターは、デフォルト状態の優しい色彩に合わせられていて、「明るい」や「パステル」を使うとフォトジェニックな写真を撮る事ができました。遊ぶ時は目に優しく、SSを撮る時は綺麗にできる、本当に奇跡の色彩でした。
1ヶ月半前までは当たり前にあったその景色が、もう見ることができません。空の色も水の表現も、透明感がなくなる方向に変わってしまいました。影が濃くなり、ウルティマトゥーレの遠景、ウルダハの屋内など黒く塗りつぶされディティールが見えなくなった場所もあります。逆に白飛びする場面もあり、色白のキャラやイシュガルドの雪がこれまでに記憶にない発光を見せています。特に辛いのが、不透明のグラデーションです。これは既に直りましたが、ゴブレットビュートの自宅の景色が見えなくなってしまったのは本当にショックで、二週間ログインすることができませんでした。残念ながら、このグラデーションはまだ他の場所にも存在しているように見えます。ラノシアの海、雲海(エルピスを含む)、ザナラーンの灼熱波がそうです。この表現のため、過去は見えていた山、海、雲海、星空が見えなくなってしまいまいした。他にもきっとあるのだろうと思いながら、これ以上塗りつぶされてしまった景色を見るのが辛くて、確かめにいくことができません。
新しく導入された金属やクリスタルの表現は、それ単体では美しいですが、景色としてみると主張が強すぎ、バランスを崩してしまっているように見えます。発光しすぎている雨の時の地面もそうです。一方で、ぼかしが効いて主張しすぎず、美しかったラノシアのフローリングのニス表現は消えてしまっています。
全体の色彩ががらりと変わってしまったのも本当に大きな困惑を呼んでいます。全体的にコントラストが上がっていて原色が多く、以前と同じゲームのように思うことができません。以前の色彩は当時の担当の方がとても時間をかけ、最も美しく見えるように調整したもののはずです。今の方が正だとするなら、過去は不完全な状態だったのかというと、決してそうではないはずです。
景色の違和感があまりにも強いため、相対的に言及が少なくなりますが、多く言われているキャラクター表現にも違和感を抱えています。新しい表現を楽しみたいと思っていましたが、ライトが当たる度にプラスチックのように肌が光り、人のように見えずとても辛いです。吉田明彦さんや高橋和哉さんのイラストをベースにした絵本的な表現が本当に大好きだったのですが、CG的な艶のある方向性となったことで、残念ながら大きく好みと外れてしまいました。
ゴブレットビュートの件もあるので、このように悲嘆するのは時期尚早なのかもしれません。けれど、風景に関するアナウンスがないこと、ハウジングの件が照度は直ってもライティングは直らなかったことから、もう二度と大好きだったFF14が戻らないのかもしれないと思い始め、ログインを控えて過去のSSの整理を初めてしまっています。本当はログインして、大好きだった景色を楽しみたいのに…。
グラフィックの方向性を変えるなら、新しいゲームでやってほしかったというのが正直な今の思いです。FF14の世界が画集を買ったり、水彩で模写したり、WebでSSのアルバムを作るほど本当に好きで…残念ながら、色調や表現をがらりと変えるなら、それは私にとってFF14が失われてしまうことに他ならないのです。