昨今のリブートブーム(特にフロムやカプコンが成功を収めている)にあやかって欲しいなというファン心理や夢は私にもありますが、現実を見るとかなりムズかしいと考えています。
①MMORPGにとって最大の壁は「プレイヤー人口」
・プレイヤーが一定数以上いないとコンテンツが成り立たない性質を持つ。
最近の若年層は情報過多で忙しい。「長時間プレイするのが前提」が通用せず基本無料にも慣れ過ぎている。一方MMORPGにどっぷりハマってきた30~50代は家族に仕事と忙しい。人との約束が多いため自分でプレイ時間をコトントロールできないMMOは相性が悪く、他者の了解や理解が必要。(もしくはリアルソロリストに落ち着くか)
結論:プレイヤーが集まらない。MMORPGのニーズがニッチ化。
なんならFF14という最大のライバルと貴重な資源(人口)の取り合いになる。
例外としてコロナ下の巣ごもり需要のおかげで星唄は大成功を収めた。
コロナ問題が事実上終焉し、人々が屋外へ解放された今、MMOに需要があるのか。
リメイクされるなら新規層を取り込むためにYoutube(Vtuber)やTikTokのような配信映えする内容に変更される可能性は高い。淡々と進めるタイプは映えないので死にゲーアクション化したり。(私は大歓迎だが。)
②FFXIが存続できてるのは予算があまりかからないから。
基本システムの開発が既に終了しており、追加の開発コストがあまり掛からない。
最近だとスクエニクラスの会社が新規ソフトを開発するとなると200億円では作れないらしい。
仮にFFXIの現在のプレイヤーを1ワールド当たり1000人、1年間丸っと契約(約25,000円)、x16ワールドとすると計算結果は4億円。開発費200億円の元を取るだけで50年掛かる。これに広告費や人件費、家賃光熱費、機器代、税金などランニングコストが掛かる。
仮にプレイヤー数が倍になっても25年、どう甘く計算しても元が取れない。今よりプレイヤーが増える程度では大赤字。恐らく元を取るためにガチャ要素やアイテム課金などを実装せざるを得ないだろう。現在のFFXIは開発費という「莫大な借金」を返し終わってるからこそ儲けが出ている。
個人的な意見ですが、FFXIはプレイ料金こそ高いが、ガチャや課金要素が無いからこそ信頼してます。恐らくそう思ってるプレイヤーは少なくないので、逆にそこもFFXIがリブートしづらい原因なのかなとは思います。
③ドラクエXオフラインがコケた。(オフライン化の道筋)
大失敗...とまではいかないが、MMORPGをオフラインにした影響でどういう評価がなされたかと言うと「おつかいゲー」。MMORPGのクエストって確かにそうで...移動とイベントばかりでおつかい感は否めない。オンラインだから許せたものもオフラインになると厳しい物は多い。オフゲにはオフゲの作り方ってのがあるのだと思う。
④実は一度リブート(?)して失敗している。
『ファイナルファンタジーグランドマスターズ(通称グラマス)』と言う作品があった。FFXIの世界観をうまく表現した作品だったが出来は..どこにでもあるソシャゲと言う感じで...。結局FFXIとは言えない何かが生まれて消えた。(ある程度面白かったけど儲からなかったんだね...)
『FFXI R(仮称)』(モバイル向けFFXI)も開発中止が発表されている。
グラマスと同じネクソン開発で、話を聞くとRPGとTCGを組み合わせたシステム...おい、やっぱりガチャさせる気満々じゃねーか!(中止になって良かった~...)
...まあこれが現実です。純粋なFFXIクローンが出ることは無さそうです。何とか低予算で儲けを出そうとしてる感ある。(しかし中止した開発費どうしたんだろ)
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昨今のゲーム業界では「面白そうな企画書」が通りにくいと言う噂があります。「(プレイして)面白そう」よりも、上役が「それなら儲かりそうね」と納得するような企画書しか通らない。だから面白いゲームを作れず話題性(映え)や課金要素を継ぎ接ぎした様な作品が量産されることになり結局ある程度お金を回収したらプレイヤーは切り捨て。現場の声が大きかった昔と変わってしまったと言われます。フロムやカプコンが成功してるのは上役が現場主義っぽい人が多いからかもしれません。スクエニはゲームをビジネスとしてしか見てないので、ゲーム本来の役割が何か分からず迷走している印象を受けます。(ここ十数年間)
プレイヤーに出来ることは...要らない物は買わない。本当に良い物だけを買う。この精神のような気がします。良い物を作らないと金にならないんだ、という精神が現場に浸透すれば自然と良い物だけが残るでしょう。FFXIのように。