ウィンダスは連邦制ですから、ミスラを含めた各部族の区域を指定するだけで、細かい街作りについては指示してないんでしょう。石区や森区は当然として、水区と港区を比べても、街並みに結構差がありますしね。
ただ、同じ水区内でも一般居住区と調理ギルドやレストランがずいぶん離れていたり、港区の飛空艇発着場から倉庫までが3国で一番遠かったり、国の重要施設である五院や各国領事館が完全にバラバラになっていたりと、見るからに非効率というか「大らかな考え方をしているなぁ」というのがウィンダス流だと思ってます。
非効率と言えば、アルタナ大戦時にせっかく水区に作った軍事施設、不要になったからって潰してますからね。普通に街作りを考えれば、軍事物資の倉庫なんかもあったはずだし、戦後石区にわざわざ競売を作るよりは、あれをそのまま再利用した方が絶対に便利。
そういう"ウィンダス流"の街作りでできている街ですから、ウィンダス風の考え方ができないと、この街は不便ですねw
わたしがFF11を始める前。FF11を始めようと思うきっかけになったのはFF10でした。初見での港町ルカは大きく、ミヘン街道は長く、ナギ平原はとても広かった(上にモルボル怖かった)という、あの感覚はとても楽しく感じられるものでした。
その感覚があった分、クリア後の、飛空艇マップで一気に飛んで要素片付けていくだけの作業が、つまらない箱庭数字稼ぎにしか思えなくなるまでの期間が、他のゲームと比べてとても早かったのも覚えています。これは世界観の延長線上にはなく、クリア後の付け足し要素なんだなという、違いがはっきりし過ぎていました。
そうして始めたFF11で、ウィン港でのイベント後、呆れるほど広く、施設と施設の間がうんざりするほど遠いウィン港のマップを「楽しい」と感じたことが、わたしのFF11で感じた楽しさの一番最初のものになります。
今のFF11が、テレポピアス、opテレポ、アビセア転送、VW転送、天晶堂BCワープ、ウェイポイントなどで各エリアへの移動が非常に簡単になったこと自体は当然だと思います。ヴァナの移動はずいぶん便利になりました。
各施設や基本アクションも便利になっています。印章NPCのクソ長い話はカットされ、使った分のラスクの補充で数十回合成するのに、連続禁止の赤メッセを何回も見ることもなくなりました。
同様に、施設が隣接していて、移動距離が短く済むのであれば、その方が便利なのはその通りです。わたしは調理メインなので、南サンドでウロつくことも少なからずありますが、競売・レンブロワ・ロンフォ特産品店は間違いなく便利です。
ですが、その分"遊び"(※「遊ぶこと」ではなく、要素と要素をゆるく繋げる余裕部分)は少なくなり、世界を感じる機会は減ってしまいます。
たまに調理ギルドショップに用があって行くと、ギルドが開店前でボーっとしてなきゃいけなかったりしますが、そうすると誰かがギルドで今日の納品物を作っていて、合成ログが流れてきたりします。サンドで合成する時でも、ザルクがバス支配だったりすると、セルビナまでミルクの買出しに行く必要があり、それが無意味に楽しいです。
そういう、"遊び"の中にある楽しさも楽しいわたしにしてみれば、「それを すてるなんて とんでもない!」と。常時ワールドバザールだったりしてすぐに何でもできるなら、セルビナ買い出しなんて無駄はまずあり得ないですからね。
これは「じゃあ便利施設ができても使わなけりゃいいじゃん」というもので片付くことではありません。「便利施設満載の、"遊び"を削り続ける街作りという方針自体に反対」ということです。リアルであれば、仕事や生活必需品買いに行くのに渋滞していたなら、うんざりしてバイパスの1本もあればと思いますが、ゲームを含めた余暇の時間は全く性質が違うはずです。
欲しい本を検索して一発で商品を見つけ、注文して発売日には自宅に届く。なんてのよりは、発売日以降に時間があって気が向いた時に本屋に行き、知りもしなかった他の新刊が並んでるのも見たい。それと同じ感覚で、わたしはウィンダスを歩く時に、明るい噴水広場にヴァナの昼を、暗い道にヴァナの夜を感じられることが楽しいです。
何かコンテンツを終えてウィンダスに帰って来た時に、モグハから競売所までちょっと距離があること、店売り処分はチョコボ厩舎か骨ギルド向かいの雑貨屋へ扉を開けて入る必要があることは、石造りで計画的に作られた感の強いサンド、バス、ジュノやアルザビ・白門と違って、決して効率的的とは言えない"ウィンダス流"の街の構造をいつでも実感させてくれます。
他の追加された街は、街の大きさから必然的に施設間の距離が短いですが、もしミスラ本国にいけるようになったなら、それはもっと不便な"ミスラ流"の街なのかなと楽しみにしていたりもしています。
極端に遠いマップまでの快適な移動手段の実装と、施設NPCが集中利用できるような街の効率化は、わたしにとってはまったく別の話で、わたしはウィンダスをそんな街にする必要があるとはカケラも思いません。今のままだってウィンダスは十分に機能している街のはずです。
もちろん、他の街が効率的なのを否定するつもりは全くありません。それぞれの街に"特色"があることは、今ここまで書いてきた内容よりもさらに優先して欲しい事柄です。全部が全部、無理やりに非効率な街を作られたら、それはそれで不自然です。
ただ、わたしにとってMMOはもちろん余暇なんですが、森区骨ギルド向かいの雑貨屋が不満が出るほど遠いのならば、その人はMMOをプレイしているにも関わらず、MMOに合わせる余裕・MMO内の世界を感じるだけの余裕を無くしてしまっているということでは、と。
ここまでを要約すると「ゲームにキリキリと余裕のない感覚持ち込むのはやめてくれ。それをやられるとつまらなくなるまでの時間が短くなる」
クライアントのファイルだけでも20GBあるゲームで、全ての街が効率重視過ぎるなんてことになったら、どんな方針でやってるんだか分かりません。"遊び"の部分、無意味な余裕の部分をもっと楽しみましょうよ。
今のヴァナで街の快適さを優先したいなら、他国所属のジュノHPにでもすれば済む話ではないですか? ヴァナから"遊び"を削り落とすような要望は本気で疑問を感じます。「あなたは余暇でヴァナに来ているんじゃないの?」と。