モンクを主軸においた攻撃間隔および攻撃性能関連の計算を行ってみました。
まず、装備条件等について、
各ジョブごとの違いを判りやすく、かつ公平に求めるため、武器はメイジャン火属性武器で統一。
但し、暗黒騎士は比較参照用にホアフロストソードも併記。これは隔値の違いから得TP効率が大きく異なってしまっているためです。
防具に関しては、エンピリアン装束とアクセサリ、加えてブルタルピアスとエスリングマント、としています。
但し、モンクだけはエポナリングが装備できるため、これを加えています。利点の一つと判断したためです。
これら装備関連は実際の最新事情とは異なる面も多く、またヘイスト値の突き詰めや、命中値、攻撃力値、STR値DEX値、およびストアTP値やコンサーブTP、セーブTPなどの多くの要素は省いた仮定となります。(また、このことから比較参照対象として侍は省かせて頂いています。)
そのため、あくまでも「傾向を見る」ための目安にすぎないことをご承知おきください。
(非常に文量が多いため、折り畳んでおきます。)
●前提1:モンクの格闘D値について
まず格闘スキル値に基づいて素手D値が計算されます。Lv99時の計算式は、
52.17=((424+16+7)*0.11)+3
となります。ここから端数切捨てで、素手D値は52とします。
武器が火属性ルート格闘武器の「オキシュラニ」で、アイテム性能は、
D+34 隔+61 STR+11 攻+22
となります。素手D値と合計し、実D値は86とします。
また、蹴撃発動率が、24=14+7+2+1
蹴撃D値が、97=素手D値(52)+45
です。但し、蹴撃D値はここでは計算に含めず(手の攻撃D値とそこまで大差がないため、簡略化して分かりやすさを優先)、攻撃回数増強に関わる蹴撃発動率のみを引用しています。(要はDAと同じ扱いです)
攻撃間隔値が、
素手状態でマーシャルアーツ特性により、280=480-80-(20*6)
武器装備状態で、336=280+61-5
得TP値が、9.80=2*(5+((336/2)-180)*1.5/180)
TP100超えに必要な攻撃回数が、
基礎計算値としては、11ターン
複数回攻撃特性(蹴撃,DA,TA)を含めた場合、期待値として約7ターン
※蹴撃やDATA等の攻撃回数増強特性を含めた場合の倍率期待値は、
=(100/(100-ヘイスト値))*(1+((蹴撃率*1/100)+((DA率*1)/100))+((TA率*2)/100)+……)
で求められ、ヘイスト値0の時に蹴撃24%、DA18%、TA3%で計算した場合、
1.48の倍率を得られます。(蹴撃率等の値は装備条件から算出しました。)
●前提2:戦士について
武器が火属性ルートの両手斧「テラモン」で、アイテム性能は、
D133 隔482 Lv99~ STR+11 攻+26
得TP値が、13.06=13+(482-480)*1.5/50
TP100超えに必要な攻撃回数が、
基礎計算値としては、8ターン
DA発動率を含めた場合、期待値として約6ターン
(DA率値は37で計算。装備条件より)
●前提3:暗黒騎士について
武器1が火属性ルートの両手剣「テネブルーズ」で、アイテム性能は、
D123 隔444 Lv99~ STR+11 攻+26
得TP値が、11.36=5+(444-180)*6.5/270
TP100超えに必要な攻撃回数が、
基礎計算値としては、9ターン
DA発動率を含めた場合、期待値として約8ターン
(DA率値は21で計算。装備条件より)
武器2がよく話題になる両手剣「ホアフロストソード」で、アイテム性能は、
D126 隔480 Lv99~ DEX+10 耐氷+20
得TP値が、13.00=11.5+(480-450)*1.5/30
TP100超えに必要な攻撃回数が、
基礎計算値としては、8ターン
DA発動率を含めた場合、期待値として約7ターン
(DA率値は21で計算。装備条件より)
※得TP値の計算式仕様によって、隔値450~480区間は伸び率がとても大きく、隔480のホアフロストソードは特異的な効率性を備えています。
以上の各基礎値を用いて、以下の各表を計算してみました。
但し、ヘイスト値の設定項目は、ヘイスト仕様を色々確認した結果として増減してあります。
まず、戦士が79%まで届くというのは少しおかしく、端数切捨ての法則等を鑑みますと繰上げよりも繰下げで見て78%とするのが妥当と考えました。また、その場合にモンクの最高値は68%となります。(八双の10%分が無い扱い。)
そして、78と68まで届くのは、ほとんどオーラかソウルボイスのSPアビリティ込みの場合だけとなります。
通常のマーチマーチの場合、ギャッラルホルンのLv99品がないと上限まで届きえません。
ランゲレイクとADマンシェト+2の場合、スキル値の兼ねあいもあって、ヘイスト合計値は66%弱~65%前後であることが多いのではないかと存じます。そのため、65%の項を重視しています、また、このことから戦士用にも75%の項を増設してあります。
なぜこの考慮を要するかというと、魔法枠ヘイストが上限届ききれていないようなこうした場合においても、暗黒騎士はデスペレの特殊枠ヘイスト25%のおかげで合計上限80%値へ余裕を持って到達できてしまうからです。それだけ、他のジョブとの間に格差が生じやすいという意味において、見るべき対象と致しました。
なお、ヘイスト75のモンクの項は、百烈拳時専用の値となります。ご参照に際しご注意ください。
【攻撃間隔値にヘイスト倍率を掛けた、基礎隔値】
(モ) (モ2) (戦) (暗1) (暗2)
00: 336 168 482 444 480
25: 252 126 362 333 360
35: 218 109 313 289 312
40: 202 101 289 266 288
50: 168 084 241 222 240
65: 118 059 169 155 168
68: 108 054 154 142 154
75: 084 042 121 111 120
78: --- --- 106 098 106
80: --- --- --- 089 096
単位は、「隔」です。
左辺の縦列がヘイスト値、上辺の横行がジョブ別名となります。
計算式は、=基礎隔値*((100-ヘイスト値)/100) です。
「モ2」は、格闘の2回攻撃分によって/2した数値です。
「暗1」がテネブルーズ時、「暗2」がホアフロストソード時のものです。
【攻撃1ターンあたりの基礎秒数】
(モ) (モ2) (戦) (暗1) (暗2)
00: 5.60 2.80 8.03 7.40 8.00
25: 4.20 2.10 6.03 5.55 6.00
35: 3.64 1.82 5.22 4.81 5.20
40: 3.36 1.68 4.82 4.44 4.80
50: 2.80 1.40 4.02 3.70 4.00
65: 1.96 0.98 2.81 2.59 2.80
68: 1.79 0.90 2.57 2.37 2.56
75: 1.40 0.70 2.01 1.85 2.00
78: ---- ---- 1.77 1.63 1.76
80: ---- ---- ---- 1.48 1.60
単位は、「秒」です。
計算式は、=基礎隔値/60 です。
「モ2」は、格闘の2回攻撃により/2された隔値を基にした値です。
【TP100超えまでに必要な攻撃秒数】
(モ) (戦) (暗1) (暗2)
00: 61.60 64.27 66.60 64.00
25: 46.20 48.20 49.95 48.00
35: 40.04 41.77 43.29 41.60
40: 36.96 38.56 39.96 38.40
50: 30.80 32.13 33.30 32.00
65: 21.56 22.49 23.31 22.40
68: 19.71 20.57 21.31 20.48
75: 15.40 16.07 16.65 16.00
78: ----- 14.14 14.65 14.08
80: ----- ----- 13.32 12.80
単位は、「秒」です。
計算式は、=(1ターンの秒数)*(必要ターン数) です。
(モンクは必要回数11回に両手分の2倍が元々含まれています。)
【基礎 D/隔 値】
モンク 戦士 暗黒1 暗黒2
00: 0.5119 0.2759 0.2770 0.2625
25: 0.6825 0.3679 0.3694 0.3500
35: 0.7875 0.4245 0.4262 0.4038
40: 0.8532 0.4599 0.4617 0.4375
50: 1.0238 0.5519 0.5541 0.5250
65: 1.4626 0.7884 0.7915 0.7500
68: 1.5997 0.8623 0.8657 0.8203
75: 2.0476 1.1037 1.1081 1.0500
78: ------ 1.2542 1.2592 1.1932
80: ------ ------ 1.3851 1.3125
単位は、「D/隔」です。(専用の呼称なし)
計算式は、=D値/基礎隔値 です。
(モンクは、格闘の2回攻撃分による*2計算が含まれています。)
【複数回攻撃特性を含めた場合の、攻撃1ターンあたり秒数】
(モ) (モ2) (戦) (暗1) (暗2)
00: 3.78 1.89 5.86 6.12 6.61
25: 2.84 1.42 4.40 4.59 4.96
35: 2.46 1.23 3.81 3.98 4.30
40: 2.27 1.14 3.52 3.67 3.97
50: 1.89 0.95 2.93 3.06 3.31
65: 1.32 0.66 2.05 2.14 2.31
68: 1.21 0.61 1.88 1.96 2.12
75: 0.95 0.47 1.47 1.53 1.65
78: ---- ---- 1.29 1.35 1.45
80: ---- ---- ---- 1.22 1.32
単位は、「秒」です。
計算式は、基礎秒数/攻撃倍率 です。
※倍率はそれぞれ、モ:1.48 , 戦:1.37 , 暗:1.21 です。(詳細は前提説明部を参照のこと)
【複数回攻撃特性を含めた場合の、TP100超え必要秒数】
モンク 戦士 暗黒1 暗黒2
00: 39.20 48.20 59.20 56.00
25: 29.40 36.15 44.40 42.00
35: 25.48 31.33 38.48 36.40
40: 23.52 28.92 35.52 33.60
50: 19.60 24.10 29.60 28.00
65: 13.72 16.87 20.72 19.60
68: 12.54 15.42 18.94 17.92
75: 09.80 12.05 14.80 14.00
78: ----- 10.60 13.02 12.32
80: ----- ----- 11.84 11.20
単位は、「秒」です。
計算式は、=(1ターン基礎秒数)*(期待値ターン数) です。
(モンクは両手分が期待値ターン数に含まれています。)
【複数回攻撃特性を含めた場合の、D/隔 値】
モンク 戦士 暗黒1 暗黒2
00: 0.7576 0.3780 0.3352 0.3176
25: 1.0102 0.5040 0.4469 0.4235
35: 1.1656 0.5816 0.5157 0.4887
40: 1.2627 0.6300 0.5587 0.5294
50: 1.5152 0.7561 0.6704 0.6353
65: 2.1646 1.0801 0.9577 0.9075
68: 2.3676 1.1813 1.0475 0.9926
75: 3.0305 1.5121 1.3408 1.2705
78: ------ 1.7183 1.5236 1.4438
80: ------ ------ 1.6760 1.5881
単位は、「D/隔」です。(専用の呼称なし)
計算式は、=D値/(基礎隔値/攻撃倍率) です。
(モンクは、格闘の2回攻撃による2倍計算が含まれています。)
なお最後に、戦闘仕様を色々調べながら徐々に計算を上積みしていった関係上、引数の取り方があんまり綺麗じゃないです(´・ω・`)ごめんなさい。
結果は間違ってないとは思うのですが……。もし大ポカしでかしてたら申し訳ないです。忌憚なくご指摘賜れましたら幸いに存じます。
しっかし、デキる本職前衛さんは、毎回こんな計算やりまくりーなんでしょうか(´Д`;)ヾ
これに加えて命中計算やらストアTP計算、WSヒット発生TPからセーブTP含みでの必要攻撃回数パターン別けとそれぞれの場合の最適装備切り替えマクロ、とかまであるんですよね?
すごく……大変です。正直これまで軽く見てました大変ごめんなさい!
これからは、デキるスーパー前衛さんはすごい尊敬の眼差しで見させて頂こうと思います…。かなり本気でw
以上の表から読み取れること。
・モンクは、通常攻撃の性能に関しては、現状で文句なく優れている。断トツと言える。
・得TP周りはそれほどでもない。いわゆる必殺技屋やNuker系ではなく、Melee系ジョブとして意外と正しく表現されている。
・蹴撃の発生率の高さがけっこう大きなアドバンテージになっている。
・MAと蹴撃の段階アップは、要らないかもしれない。検討するならかなりの慎重さを要する。
また、この表には書き出していませんが、それぞれの表と項目においてモンクのマーシャルアーツ(MA)段階と蹴撃率を各アップさせていった表も作ってみました。
そちらで推移を見たところ、MAを複数段階アップしていくと攻撃性能が強力に向上します。蹴撃は高ヘイスト状態において倍率影響が高まり強力ではあるのですが、MAに比べるとそれほどの影響は出ないようでした。
もしこちらの表も参照したい方おられましたらご要望ください。(但し、今回表よりも更に何倍も長大です。)
あまりに膨大なことと、結果としてその強化は不要と判断に至ったため、今回は省かせて頂きました。
モンクは、Meleeとして、手数さに基づいた通常攻撃の攻撃性能、および格闘スキルと素手D値計算の特殊仕様による高性能なD/隔性能を備え、本来非常に強力な攻撃手と評せます。
しかし、それにも関わらず実際には暗黒騎士に大きく遅れを取っているという。また、戦士にも敵わないという。
その原因を考察しますと、
・攻撃力が足らない。とにかく圧倒的に足りない。
・命中力も足らない。装備の組み合わせ方において大きく足を引っ張ってしまっている。
・結果として、攻撃力を間接補正するSTR値やDEX値、およびクリティカル発生率も足らなくなっている。
この3点が考察できました。
まさに悪循環な状態に陥ってしまっていると評せるでしょう。
3点ごとの理由を分析しますと、
【攻撃力】
モンク自身は増強手段がない。いちおうインピタスはあるが、増加値が渋く絞られすぎてて話しにならない。
サポ戦でバーサクは可能だが、暗黒騎士もそれは同じ。戦士も同じ。
そして暗黒騎士がバーサクとラストリゾート併用できて、かつ攻撃力アップ特性とエンダーク、加えて両手武器の特性恩恵まで全て備えていることにより格差が超大と化してしまっている。
しかも、コンテンツ側でそうした両手武器アタッカー基準と思われるほどの敵HNMの防御性能の高さ、およびHP量の増大が施されているため、片手武器アタッカーであるモンクは置き去りにされた形となってしまっている。
この攻撃力不足(というより、格差)問題を解決できない場合、
モンクは「雑魚敵狩りでなら強いよねー^^」扱いのジョブとなってしまいかねない。
攻撃力と命中力に悩む必要がない、「超格上」ではない通常敵相手なら、たしかに現状でも十分すぎるほど強いと言えるでしょう。開発運営陣はそちらばかりを重視してしまっているのかもしれませんが…。
もし、「普通の敵になら強いジョブ、モンク」を図式として定められているのであれば、
新ナイズル探査のようなコンテンツにおいて最も活躍できるべきは、このモンクのようなジョブとなってくるはずです。
しかし、現状そうなれてはおりません。超格上相手も暗黒戦士(というか両手武器)なら、新ナイズル探査も暗黒優勢(ハイブリッド型の性能まで備えているため)です。
この問題は、とても、強く、解決を要望したい対象と存じ上げます。
【命中力】
こちらは、片手武器と両手武器の間における、ステータス補正計算倍率の格差が、大きく響いてしまっているように存じ上げます。
詳しくは専用のスレッドで様々に論じられておりますので、そちらご参照願います。
この命中力不足によって、モンクは装備の組み合わせを命中増強優先で組んでいかねばならず、ただでさえ足りない攻撃力を装備で補うことすら難しくなってしまっている、ように見受けられます。
悪循環の源の一つですね。
【ステータスとクリティカル】
攻撃能力に関わる、STRやDEXのステータス値は、モンクはジョブとして備える数値自体は攻撃職向けの高数値を誇っているかと存じます。
しかし、上述にもある両手武器と片手武器の補正倍率格差によって、まず命中力が低く当たらない、やっと当てても攻撃力が低いため、攻防比が低く、攻防関数値が小さくなりがち、となります。
そして攻防関数値が小さいことから、攻撃D値のダメージ反映率と、STRステータスを基に計算されるSV関数の反映が、共に低くなってしまい、結果として表れる与ダメージ値も低くなります。
つまり、D/隔計算などのスペック値においては匹敵できていたり上回れていたとしたしても、実際の性能発揮においては大きく劣ってしまいうる、ということです。
現状のモンクがこの状態に陥っているのではないかと見受けられます。
また、クリティカルについて、
クリティカルヒットは攻防関数値を絶対値で+1も押し上げることができるため、せめてクリティカルヒット率だけでも十分高ければ、攻撃力等の不足を補うことができます。
しかし、今のところモンクに施された調整においては、クリティカル率を上げるどころか極所的に下げるというものでした。(ビクトリースマイト弱体の件です。)
結果として、ますますモンクが置いてきぼりにされてしまうことになりました。
但し、私個人としてはビクトリースマイト弱体そのものは行った方が良かったと考えています。(詳しくは先日投稿した「一部による寡占リスクへの懸念」関連をご参照願います。)
問題は、そこでモンクのジョブ機能全般においてクリティカル向上(もしくは攻撃力向上)が図られなかったこと、ではないでしょうか。
おまけにMAや蹴撃の段階アップも見送られています(Lv99開放に伴い、これまでのレベル間隔から追加されるべき位置に特性アップがきていない)。
これも、それ自体は、私自身上述で計算した結果から考察したように、段階アップさせなくてバランス上正解、とは言えるものです。「それ単体ならば」
しかし、総体としての機能性・有効性となると……。
以上、最後にまとめ直しますと、
・モンクはMelee系ジョブとして、手数さは優れていて現状で十分に思える
・足りなくて問題があるのは、攻撃力、命中力、そしてクリティカルヒット率
・ビクトリースマイトのような「一部の特殊機能」ではなく、モンクというジョブ全般として、攻撃命中不足が解決されるべきである
これが現状での私からの考察見解となります。いかがでしょうか。