ディレクターの伊藤です。
ZAMによるインタビュー記事の内容が、第3者による某匿名掲示板への誤訳と捏造を含む無責任な投稿によって誤って日本のユーザーに伝わっている件について、改めてインタビューの質問の趣旨と回答の意図をご説明したいと思います。(なお、海外コミュニティでもかなりネガティブな印象なのでは?と言った投稿や、スレッドが荒れているという投稿もありましたが、概ねポジティブに捉えられ、建設的に議論されています。)
某匿名掲示板には、【伊藤「アビセアは失敗作だった」】というタイトルで以下の文が掲載されました。
- アビセアはプレイヤー的には好評だったが、運営側としては失敗だった
- 特にアートマやジェイドでの強化はやりすぎた
- ヴォイドウォッチはアビセアの失敗を受けて製作された
- バランス、ジョブ、戦利品の仕様など、今までの中でも完成されたコンテンツと思っている
- 今のプレイヤーはストーリーよりも強敵との戦闘がしたい、と考えている
なので、今後はヴォイドウォッチがFF11の主流になる- 12月のバージョンアップで弱いジョブというものはなくなった、次からは強すぎるジョブのバランスを取る
- 新規を増やそうと色々頑張ってる
- 来年は10周年 何かがあるかもしれないので楽しみにしてください
- アビセアはプレイヤー的には好評だったが、運営側としては失敗だった
- 特にアートマやジェイドでの強化はやりすぎた
これらはアビセアに関する質問と回答の中から、前後の文を無視して抜粋されたようです。
インタビューの趣旨は「アビセアの成功で得たものは何か?」でした。
それに対しては次のように回答しています。なお、インタビュー記事でも概ねそのように書かれています。
- アビセアで得たものは成功ばかりではない。
- プレイ感覚も価値も、他のコンテンツとの格差が生じるという問題が浮き彫りになった。
- アビセアは概ね成功だが、アビセアに関してユーザーから指摘のあったそれらの問題点を開発チームは強く認識している。他のコンテンツをテコ入れすると共に、新規コンテンツの教訓にする。つまり、アビセアは失敗ではなく、他のコンテンツに今後の課題が出来た。
- ヴォイドウォッチはアビセアの失敗を受けて製作された
- バランス、ジョブ、戦利品の仕様など、今までの中でも完成されたコンテンツと思っている
これらはヴォイドウォッチの現状や問題点についての質問の回答を、投稿者が逆の意味に翻訳し、脚色した文章のようです。
インタビューの中では、ヴォイドウォッチの戦利品仕様やバランスなどの現状の問題点の例を挙げ、「ヴォイドウォッチにはまだ今後の調整課題が残されている。」という趣旨で、賛否両論のあるコンテンツと話しています。
- 今のプレイヤーはストーリーよりも強敵との戦闘がしたい、と考えている
なので、今後はヴォイドウォッチがFF11の主流になる
こちらは今後についての質問と回答の中から抜粋したものを、投稿者が逆の意味に翻訳し、記事中で述べていない内容でかなり脚色した文章のようです。
インタビューでは、「アビセアとヴォイドウォッチはバトルに焦点を当てたコンテンツでしたが、ストーリーのあるコンテンツが待ち望まれているため、次はこれまでとは異なる新しいものを考えている。」と答えています。
- 12月のバージョンアップで弱いジョブというものはなくなった、次からは強すぎるジョブのバランスを取る
- 新規を増やそうと色々頑張ってる
これらは投稿者の捏造のようです。あるいは記事中の様々な単語を持ってきて繋げたのかもしれません。
ZAMに限らず、海外でインタビューや発表が記事になる場合、校正や事前の確認を行えないため、何をどう書かれるかは公開されるまで分かりません。
ただ、今回の記事の原文を見る限りでは、私たちが伝えたかった内容はインタビュワーには概ね伝わっており、記事の内容に関しても否定する部分はありません。
機械翻訳などのツールを用いて私的に記事を読むのは問題ないと思いますが、それを投稿する場合にはそれなりの責任を伴うはずですし、読み手も充分に注意する必要があると思います。
今回はこうして誤った情報を前提として議論が過熱してしまったところがあり、私も開発チームもだいぶ困惑しているというのが正直なところです。
一方で、この投稿からアビセアとヴォイドウォッチの評価についてフォーラムで皆さんに真剣に語って頂けたことにより、皆さんと私たちの認識がそこまでズレていないことが確認できたことは意味があったと考えています。
私のTwitterのアカウントにも誤った情報を前提としたコメントが寄せられたため、その内容を確認しましたが、フォーラムではない場所で過熱していたためにフォーラムで急に語るわけにもいかず、Twitterで疑問を投げかけさせて頂きました。その結果、余計に混乱を招くことになってしまいました。申し訳ありません。
折角フォーラムがあるのに・・・という点は仰る通りだと思います。案件の大小や内容に関わらず、今後はこう言った部分も含めて、フォーラムを通じて皆さんへ意図をお伝えしたり、ディスカッションをさせていただきます。
最後になりますが、ここまで大きな拗れになったことは、私の信頼のなさも要因のひとつになっていると受け止めています。今後は信頼を得られるよう、より一層、開発に励んで参ります。どうぞよろしくお願いいたします。